おいでよ!ワインの沼

ワイン沼の住人・ユキシバによるワイン日記&初心者目線の豆知識

【ワインを自分で選ぶ②】本当に初心者向けのブドウ品種3選【初めてから美味しい】

 

ワインの沼からごきげんよう、ユキシバです。

 

 

今回は「好みのワインを自分で選ぶシリーズ」第二弾。

 

前回は「初心者はブドウ品種で選ぶべし!」といった内容でお話ししました。

その通り、ワインの個性はブドウの特徴によって大きく左右されます

 

カベルネ・ソーヴィニヨンは濃くてタンニン(渋味成分)が豊富なので、骨格のしっかりしたワインになる。

逆にピノ・ノワールはタンニンや果実味も大人しめで、繊細で香りの華やかなワインになる。

 

 

しかし、初心者からしてみれば、知りたいのはそんなお勉強チックなことではないかもしれませんね。

 

初心者が知りたいのは「初心者向けのブドウって結局どれなん??」ということではないでしょうか。

 

 

「初心者向けって書いてたのに美味しくない!」「おすすめされたの飲んだけど渋かった!」などの渋い経験がある方、どうかワイン沼から離れないでください。

 

僕は、ワイン人生が始まる何年も前から、漠然とワインを飲めるようになりたいなぁと思っていました。が、甘口以外となるとどうしても味わいが理解できず…。

 

そこからワインショップの店員さんに相談したり、好奇心のままに飲んでみたりと色々した結果、ここまで(こじらせた)ワイン沼の住人となって今に至ります。

 

 

今回は、そんな僕が今まで飲んできた経験から考える「本当の初心者向けブドウ品種」を紹介します。

 

「これなら私でも美味しく飲める!」と思えるワインに出会うためのヒントになれば幸いです。

 

初心者向けブドウの筆頭・メルロー

メルロー

 

前回は代表・オブ・代表ブドウ品種をざっと6つ紹介しました。

軽くおさらいすると、

🍷カベルネ・ソーヴィニヨン(カベソー)=果実味・タンニン豊富

🍷メルロー=果実味豊富・タンニン控え目

🍷ピノ・ノワール=繊細・華やか・酸味強め

🍷シャルドネ=ピュア・フルーティー

🍷リースリング=綺麗な酸味・極甘口に化ける

🍷ソーヴィニヨン・ブラン=キレのある酸味・端麗

 

この中でも、初心者向けのブドウとしてよく名前が上がるのがメルローです。

メルローが初心者向け代表とされるのは、「渋味が少なく、果実味が豊富」だからです。

 

 

ワインに飲み慣れない人が最も警戒する要素が渋味(タンニン)といっても過言ではないでしょう。

ワインに限らず、渋いものを進んで食べたがる人ってそういないのではないでしょうか。

 

そもそも、人が生まれてから最初に美味しいと感じるのは甘味だと言います。

逆に酸味や苦味は大人になるまで美味しいとは感じにくいのです。

 

赤ちゃんは酸っぱいものを食べたがりません。酸っぱい=腐っているかも、苦い=毒かも、と本能的に判断しているからなのだとか。

 

 

悲しいことに、「ワイン=渋い」と信じ込んでしまっているせいでワインを敬遠してしまう人は少なくありません。

 

そんな状況をどうにかしたい!

どんなワインだったら初心者にも飲んでもらえるか?

 

なんてウンウン頭を悩ませるワインオタク。

そこにひょこっと現れるメルロー

 

メルローは主に黒系果実(プルーンなど)の香り・味わいがします。

赤系果実(イチゴ、ラズベリーなど)の味わいに寄っているピノ・ノワールなどと比べると、酸味が少なく甘やかで優しい雰囲気に。

 

味はしっかりしてるのに渋味は少ないメルロー。渋味や酸味が怖い初心者、そして仲間を増やしたいワインオタにとってまさに「これだ!!!」という存在ではないでしょうか笑

 

 

が、結論を言うと、僕はメルローはあまり初心者向けではないと思っています。

 

初心者にはきつい?メルローの味

苔むした木

 

僕はというとメルローは推しブドウの一つで、よく飲みます。

僕が生まれた年のフランスはアホ程雨が降ったそうで、雨や湿気に弱いカベルネ・ソーヴィニヨンが主体のボルドーワインにとってはかなり厳しいヴィンテージだったそうです(泣ける)

 

ですが、そんな年のボルドーでも強く生き、上質なワインになってくれたのがメルロー

 

元々メルローは保湿性の高い粘土質の土壌を好みます。そのため、大量の雨を受けてむしろ早く成熟し、上質なブドウに育ってくれたのです。

そのためボルドーの中でも、メルローが主役になるサンテミリオンポムロール地区にとっては良い年だったようです。

 

生まれ年のサンテミリオン、飲めるのはいつになるんだ…!

 

ちなみに湿気にもある程度耐性があるので、日本でもよく栽培されていますよ!

 

 

そんな僕の推しブドウのメルローですが、正直初心者向けというほど初心者向けではないと思っています。

 

というのも、メルローのワインには腐葉土の味」が含まれることがあるのです。

 

 

腐葉土とは、簡単に言うと枯れ葉の混ざった土のことを指します。

庭いじりや家庭菜園をする人なら、馴染みがあるかもしれませんね(僕はどっちもやりません…)

 

ただ、普段土をいじらない人でも、どこかで腐葉土の香りを嗅いだ経験がある人は多いと思います。

例えば、子供の頃に遊んだ公園や、森の土。

僕なら秋~秋の終わり頃に森を散歩した時の土の香りを思い出します。

 

ワイン沼の住人からすると腐葉土の香りは何とも奥深く、趣のある香りなのですが…そうでない人からするとかなりクセのある香りなのではないかと思います。

 

いやそもそも飲み物からしていい匂いじゃねぇんだわ!笑

 

ブドウから出来たお酒から土や枯れ葉の香りがしたら、何も知らない人なら「腐ってやがる!!」と思っても仕方がないですよ…。

 

とにかく、腐葉土の風味をメルローの「魅力」だと捉えるには、ある程度ワインに慣れ親しんだ経験がいると思うのです

 

 

濃い赤ワイン全般に言えますが、抜栓直後は味わいに固い印象があったり、渋みや苦味などの複雑な要素が強く出ることがあります。

そういう時は、飲む数時間前に抜栓しておいたり、デキャンタに移して空気にたっぷり触れさせてから飲んだりすると、複雑味がうまくこなれて、まろやかな果実味を楽しめるようになります。

 

メルローの持つ腐葉土の風味も、抜栓してから1日ほど経つとやわらぐ場合がありますが、そんな判断が出来るんだったらもう初心者じゃないですよね笑

 

本当に初心者向けの品種とは?

ワインパーティ

「ワインって美味しいイメージなかったけど、これなら私でも飲める!」と思わせてくれる優しいワインになるブドウ品種とは何でしょうか。

 

僕が思う本当に初心者向けのワインの条件は以下の4つです。

🍷甘やかで果実味が豊か

🍷渋味は控え目

🍷複雑な要素(土、煙草、石のような風味)がない

🍷なるべく抜栓してすぐから美味しい

 

「でもそんなの実際あるの??」と思う方もいるかもしれませんね。

そうではないものも実際多くあるので、ワイン=難しい、分かる人のための飲み物といったイメージがついてしまうのも、ある程度仕方がないことです。

 

ですが結論、意外とあります。

が、あんまりたくさん紹介しても仕方ないので、今回は3品種に絞って紹介します。

 

①ジンファンデル(プリミティーヴォ)

ジンファンデル

 

いきなり知らないブドウぶっ放してきたな!?!?

 

はい、えーと…すみません←

ジンファンデルも本当は定番・オブ・定番ブドウで紹介したかったのですが、そうなると定番・オブ・定番ブドウのはずが10品種、20品種と際限なく増えてしまうので泣く泣く除外した次第です。

 

というのも、ジンファンデルはアメリカの超定番品種。そしてアメリカは世界一ワインを消費する国なのです…!

そんなジンファンデルの味わいはまさにパワフルそのもの。

そして、とにかくわかりやすい。

 

 

パワフルとは言っても渋味ではなく果実味で主張してくる感じですし、食べ物ならざる複雑な味がする印象でもあジンファンデル

黒系果実の香りと味わいがおおらかで陽気で、焼肉と合わせても負けないくらい濃い果実味が楽しめます。

 

複雑で繊細な味が次々現れるのに集中しながら静かに飲むというより、「わーーい!!\(^o^)/」みたいな開放感と共に、あふれんばかりの濃厚な果実味にダイブする。そんな品種だと思います。

 

ちなみにジンファンデルは、イタリアではプリミティーヴォと呼ばれます。

 

元々別物だと思われていたのが、のちの遺伝子検査によって実は同一品種だったことが判明した二つ。生き別れた兄妹みたいな感じですかね…?

 

 

プリミティーヴォ(こっちの呼び名の方が好き)、頑張った自分を甘やかしたい時にぴったりなんですよ…(経験者は語る)

太陽のようにおおらかな果実味で包み込んでくれるような…(っていう話を以前しました!↓)

wine-numa.hatenadiary.jp

 

シャルドネ

シャルドネ

定番・オブ・定番白ブドウの一つですね。

土壌や地域を選ばず、基本どんなところでもうまく育ってくれる、よくできた子です。

 

「無個性こそが個性」と言われるほど、育った環境や製法に染まりやすいシャルドネ

無個性と侮るなかれ。グラマラスで明るい味にもなるし、スラっとした上品な味にもなれる七変化ブドウです。

 

その基本の味わいは至って素直でフルーティ。

涼しい場所で育てば青リンゴやレモンなどのちょっとクールな印象に、暖かい場所で育てばマンゴーやパイナップルなどのトロピカルフルーツのような味わいになります。

 


白ワインから入るなら、シャブリ(フランス・ブルゴーニュ)のようなワインよりはアメリカやチリ、イタリアなどの暖かい地域で作られるシャルドネの方が親しみやすいです。

 

 

余談ですが、白ワインに挑戦する場合、居酒屋の白ワインはおすすめしません。

酸味が強くてキリっとしたものが多いんですね…(´・ω・`)

 

というのも、居酒屋には色んな料理がありますよね?

それらのメニューそれぞれにベストマッチなワインを用意するなんて到底出来るわけもなく。

 

なので居酒屋としては「どんな料理と一緒でも邪魔をしない」ワインの方が都合がいいわけです。

その結果、甘味やコクのある白ワインよりも、シャープですっきりした白ワインが選ばれがちなのです。

 

キリッ!なワインが好きな人なら良いですが、そうでない人はショップで選ぶことをお勧めします。

 

アメリカのピノ・ノワール

ピノ・ノワール

「え、でもピノ・ノワールって酸っぱくて飲みにくいんじゃ…?」

実際ピノ・ノワールの果実味は甘やかというより甘酸っぱい、豊潤というよりは華奢で繊細。ちょっとわかりにくい品種といえばそうなんですよね…

 

ピノ・ノワールと聞くと高貴で気品があるイメージが先行しがちで、ちょっと身構えてしまいます。(僕だけ…?)

 

だがしかし。アメリカはそんなピノ・ノワールを果実味甘やか豊満ボディに魔改造してしまうのです←

アメリカのピノ・ノワールはチャーミングかつ完熟したジャムのような果実味。それでいて渋味や酸味は控え目。

 

ちなみに僕が初めて飲んだピノ・ノワールアメリカの『トータス・クリーク』でした。

ピノ・ノワール全体に対してあった近寄りがたい・難しいイメージを、そのフランクでセクシーな果実味で払拭してくれた一本です。

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ワインはアメリカから入ると幸せになれる説

直線道路

 

今回は「本当に初心者向けなブドウ品種」を3つに絞って紹介しました。

 

3つを振り返ってみると、アメリというキーワードが共通していますね。

 

アメリカは大航海時代以降にワイン生産が盛んになった、いわゆるニューワールドの一つです。

何千年という歴史・伝統が無いことを強みに、新しい技術を積極的に取り入れ、美味しいワインの製法を研究しまくった結果、親しみやすいワインをリーズナブルに作り出す一大産地に成長しました

 

勿論アメリカにもブルゴーニュを目指して作ったようなエレガントさのあるワインもあります。ですがそういうのは大体高価なものに多いと感じます。

 

お求めやすい価格でしかも飲みやすい。しかも単一品種&使っている葡萄がわかりやすく書かれているワインが多く選びやすい。

 

アメリカでワインというイメージが湧かない方もいるかもしれませんが、「ワインは全然わからないんだよね…」という段階ならあえてアメリカから入ってみると、「ワインって思ってたより飲みやすい!」となるかもしれませんよ!

 

 

最後まで読んで頂きありがというございます。

 

次回お会いするまで、良いワインライフを!

 

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