【アメリカワイン】ド濃くて、奇抜で、エレガント。【推しワイナリー紹介】
ワインの沼からごきげんよう、ユキシバです。
今回は推しワイナリーの紹介をしたいと思います。
以前僕の推しワイナリーの一つであるファン・ヒルの最上級キュヴェ、ファン・ヒル ブルーラベルを紹介した時、僕なりの推しワイナリーになる3つの基準に触れました。
~ユキシバの推しワイナリーの基準(主な)3選~
🍷品質:この生産者のワインは間違いなくうめぇや!!
🍷人柄:生産者の心意気に痺れる憧れる!!
🍷歴史:歩んできたストーリーにキュンが止まらねぇや!!
僕にとっての推しワイナリーは少なくともこの中の一つに当てはまるワイナリーを指します。
今回紹介する推しワイナリーはどれにあてはまるかというと、人柄の項目に当てはまります。
生産者がまじかっけぇ…!This’s America!!(?)
マイケル・デイヴィッド・ワイナリー
アメリカ・カリフォルニアはローダイ地区で代々ワインを作っているマイケル・デイヴィッド・ワイナリー。
カリフォルニアは実に様々な個性を持った土地がありますが、その中でもローダイ地区は最大級の大きさ。
「ジンファンデルの首都」と呼ばれる程、ジンファンデルの名産地です。
アメリカの赤ワインといえばジンファンデル。
人懐っこくて甘やかな果実味が溢れる豊満ボディ品種で、イタリアのブドウ・プリミティーヴォとは遺伝子検査で同一品種だと判明しています。
名前の響きのせいか、プリミティーヴォとジンファンデルではワインのスタイルまで変わってくるような気がしてきます🧐
そんなことから近年注目を集めているローダイ地区で、代々ワイナリーを運営しているのがマイケル・デイヴィッド・ワイナリー。
その歴史は古く、1850年代に創業。
あの『メドック格付け』が誕生したのと同時期。フランスはナポレオン3世の治世ですね…だいぶ昔な感じがしますね(小並感
もっともフランスならもっと古い生産者がごろごろいるわけですが、カリフォルニアで最初の葡萄畑が作られたのが1776年といわれていますから、それを考えるとアメリカの中ではかなり古いことがわかりますね。
アメリカ史上最狂の悪法・禁酒法の時代(1920~1930)も葡萄づくりを絶やさず、僕の推しブドウ品種のひとつ・シラーをアメリカで最初に植えた生産者の一人でもあるそう。
近年では世界的なワイン評論誌「Wine Enthusiast」に取り上げられ、アメリカンワイン・オブザイヤー2020を獲得するなど、注目度を上げてきています!
推しが人気になるのは理屈抜きに嬉しい…!
マイケル・デイヴィッドに惚れたひと言
僕がよく利用するショップの一つ・フィラディスでいつものようにワインを探している時、偶然マイケル・デイヴィッドを見つけました。
最初は他にはない奇抜なラベルに興味を強く惹かれたのですが、本格的に惚れるきっかけになったのはワイナリーへのインタビュー記事です。
(以下Firadis Wine Clubより引用)
Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は?
ワインの造り手にとって一番嬉しいときは、自分たちのワインを誰かがおいしく楽しんでくれているのを目にする時に他ならない。
ワインは誰かを幸せにするための飲み物だからね!!
いやもうこの時点でかっちょいいんだけどね!?
買う側の目線から見れば当たり前のことを言ってるように見えますが、そういう当たり前のことを忘れずにいることはそう簡単ではありません。
これだけでもかっこいいんですが、ハートをキャッチされたのは次の質問。
Q3:その反対に、一番辛い(辛かった)ときは?
辛い、というか本当に面倒で厄介なのは、アルコールに関する法規制のことだ。
アメリカでは50州それぞれに異なるアルコール規制や税法があって、それがメチャクチャ複雑なんだよ!
それ以外のことは、正直大したことじゃない 笑
漢!!!
ワイン造りはある種アーティストだと思っているので、そうすると確かに法律がらみの業務は最も厄介な敵かもしれませんね…
アーティストにとって法律・税法がらみの事務作業なんかは最大の敵ですから←
けど…
「それ以外は正直大したことない笑」って!!
「笑」じゃねぇからホレ!!←
当たり前ですが、ワイン造りは神経をすり減らすことの連続だと思うんですよ。
あっつい日もさっむい日も朝早くから畑に出て作業。
だだっ広い平地でもなければ機械化もほとんどできないので、色々と手作業です。
それにブドウ栽培は自然との格闘。全てが計算通りに運ぶわけではありません。
葡萄を育てている途中は生育状況もチェックします。勿論虫や獣、病気にやられるようなことがあってはなりません。
そんなこんなを乗り越えていよいよ収穫!という時襲い掛かる突如大雨。
手塩にかけて美味しく育て上げたブドウ達は、一夜にして全部台無しに…
なんて理不尽なことが平気で起こるのが自然の世界です。
そういう天候リスクを避けつつギリギリまで成熟させる為、収穫のタイミングも慎重に計算します。
当然ですが収穫して終わりではありません。発酵、熟成も非常に重要で神経を使う工程です。
それらを全て乗り越えてようたく僕等の手元へ届くのです。
これが大したことないわけないんですよ!!
ただのワイン好きではここまで厳しい作業には耐えられないはず。
それを「正直大したことない笑」と言ってのけられるのは、もう並々ならぬワイン愛の証としか言いようがありません。
愛するものの為にスーパーマンになれる男気を感じました。
ド濃くて、奇抜で、エレガント。
そんなわけでマイケル・デイヴィッドの心意気に痺れる憧れる!なわけですが、
ただ言うことがかっこいいだけではありません。そのワインも上質で美味しいんです。
ラベルを見て「うはwww」とびっくり。
期待に胸を躍らせつつグラスに注ぎ、香りを嗅ぎ、最初のファーストタッチ。
ここまでは「うはぁぁぁ濃いね!!」なのに、飲み込む頃には軽やかで上品な余韻が残るのです。
フィラディスのインタビューでも答えられていますが、マイケル・デイヴィッドのワインはバーベキューや焼き鳥など、シンプルで比較的味の強くない肉料理と好相性です🍖
見るからに濃い赤だし肉料理やろ!みたいな感覚で濃い肉料理と合わせたりすると、意外と繊細なマイケル・デイヴィッドのワインは押し負けてしまいます…(経験者談)
エンタメ性満載のラインナップ
ここからはマイケル・デイヴィッドのワインを紹介していきます。現在は8種類ありますが、どれもいちいちネーミングに凝ってるし、名前からラベルまで遊び心満載!
「ワインは飲む人を楽しませるためのものだからね!」という言葉の通り、エンターテインメントのようなワインです🍷
心静かに向き合うのも良いですが、外でバーベキューをして開放的な気分で飲むのにもうってつけだと思いますよ!
まぁ、外でバーベキューなんて想像上の文化だと思ってるけどね!!!←
”フリークショウ”シリーズ
フリークショウ(Freak show)とは英語で「見世物小屋」。
このシリーズでは「獣の野生と人間の理性」をテーマに、ドカンとした力強さとしなやかさ・エレガンスが共存するようなワインを展開しています。
品種によって赤が3種類、最近白が1種類加わって合計4種類ありますが、僕が飲んだことがあるのはカベルネ・ソーヴィニヨン。
カベルネ・ソーヴィニヨンというと力強くて渋くて…っていうイメージがあるかもしれませんが、こちらはかなり軽やかに感じました。
野性味とかワイルドさとかよりも、ボリューム感のある果実味主体で、あくまでも上品にまとまってるな、ということの方が印象に残っています🍷
カベルネ・ソーヴィニヨンに苦手意識がある人は、フリークショウから入ると印象変わるかもですよ!
シックスセンス
「第6感」と名付けられたワイン。
現当主で5代目となるマイケル・デイヴィッド。その5代目当主の息子が初めて栽培マネージャーとして携わったワインがこちら。
創業以来6代に渡って伝統を受け継ぐという意味で、「第6感」を意味するこの名前になったのだとか。
僕がセットで買った中では一番「うめぇ!!!」と思ったワインです。寧ろマイケル・デイヴィッドの中では一番飲んでほしいワインかも…🍷
赤系フルーツと黒系フルーツの両方が濃縮に濃縮を重ねた果実味が、香った瞬間からどわーーっと襲い掛かります(語彙力
鼻は最初のひと嗅ぎで瞬殺。飲めば口から脳まで瞬く間に呑み込まれていくような…😇
飲み終わってもしばらくは、口から脳髄までシックスセンスに侵されたままのハッピーな状態が続きます←
ド濃い赤がお好きなら是非試してほしい1本。
セブン・デッドリー・ジンズ
(この子だけラベルのみの出演…何故だ😵)
ローダイ地区と言えばジンファンデル。マイケル・デイヴィッドといえばジンファンデル。
こちらは2015から2017年までの間、ジンファンデルの品種名入りワイン(ジンファンデルを95%以上使っているワイン)の中で全米売上本数No.1をマークした程の人気ラベル🍷
ちなみに名前の由来は、こちらのファーストヴィンテージを作る際、契約農家の内7つが高樹齢で品質のとても良いジンファンデルの樹を納品してくれたことにちなんでいるとのこと。
7だから7つの大罪。で、それをワインに命名する遊び心よ笑
ジンファンデルも作り手によってスタイルが変わってきますが、こちらのワインの場合はまさに甘美で官能的。
飲みにくさも飲み疲れも一切なく、うっとりするような完熟濃縮ベリーが印象的でした。
プティット・プティ
使用されるブドウ品種はプティ・シラーとプティ・ヴェルド。二つの「プティ(プチ)」と名の付くブドウを使ってスケール感や迫力を表現することをテーマに作られたのがプティット・プティ。
フィラディス曰く「この国(アメリカ)らしいエネルギー感・雑多感に満ちた感じ」が表現されている一方、エレガンスを求める人にはお勧めしないとのこと。
ただ僕が実際飲んでみた限り、いうても十分上品にまとまってないか??といった印象。
雑多な雰囲気をそのまま味で表現したワインなんて面白そうですが、そこはマイケル・デイヴィッド。どんなテーマがあってもごちゃごちゃした味にはせず、しっかりバランスよくまとめてくる。
なんという気真面目…人柄ですね🤤
でも確かに赤系果実がどっしりやってきて、しっかり重口。
『ダンボ』の劇中で流れてくるピンクの象の曲が流れてきそうな、のっしのっししたイメージもあります。ラベルの影響でしょうかね…?
シャルドネ
(↑昼間の打ち合わせ中に飲んでた時の写真…笑)
飲み終わったらそのまま照明インテリアに改造したいくらいお洒落なボトル。
何となく赤が本命な気もしてきますが、白も美味しいです🍇理想の味に仕上げるための根性と創意工夫が感じられます。
~ワインは発酵の仕方でも味が変わります~
ステンレスタンク発酵=葡萄の個性が最大限そのまま表現される🍇
樽=木の成分が混ざってふくよかな味わいが加わる
→大きい樽・使い古した樽=ほどほどに樽香
→小さい樽・新品の樽=しっかりめに樽香
→シェリーやウイスキーに使った樽=それぞれのお酒の風味がワインに乗っかる
マイケル・デイヴィッドのシャルドネは、まず熟し度合いを3段階に分けで収穫。そのうち70%をバリック(小型の樽)で、30%をステンレスタンクで発酵し、最後にそれらを混ぜます。
グラマラスでありながらも涼しげでシュッとした印象も感じる、才色兼備(?)なシャルドネちゃんです。
いかがでしたでしょうか。
今回はアメリカで近年注目のワイナリー、マイケル・デイヴィッド・ワイナリーを紹介しました。
マイケル・デイヴィッドと出会った時、最初はその奇抜なデザインに目が持っていかれます。
そして飲んでからの第一印象はド濃い。
しかし飲み込む頃に気付く、ラベルのイメージに合わない品の良さ、軽やかでエレガントに着地するそのバランス感。
見た目はいかついし話し声もでかくて怖い人っぽいんだけど、でも関わってみたら豪快なだけでなく気遣いが出来て教養も高い。そんないかした兄ちゃんみたいな感じでしょうか🍷
ワインに触れていく間に次々印象を変えて、飲み終わっても感想を言い合いたくなる。
そんなところが、エンターテインメントのようなワインだと感じました。
単品で買い続けるとそこそこお値段が張りますが、聞くところによるとフリークショウシリーズはコストコでも売ってて通販よりだいぶ安く買えるらしいです🤤
会員の人はコストコのワインコーナーに突撃だ!まぁ見た目が見た目なので、売ってたらすぐわかるでしょう笑
ただ、日本での知名度自体が低いのか、フリークショウ以外は実店舗で売ってるのを見たことがありません…。
実店舗に無いものも飲んでみたい!というワイン好きは、セットで買うと20%以上割引で買えるのでかなり得です!
僕はもうマイケル・デイヴィッドの世界観を味わう気満々だったので迷わずセットで買いました←
そして…先ほどマイケル・デイヴィッドのワインは8種類と言いましたが…
発見してしまいました……
日本のインポーターが扱っていないワインがまだ数種類あることを……!!
(ただし少し高めのものが多いです)
詳しいことはワイナリーのHPで見てみてください🍷
マイケル・デイヴィッドの世界観が爆裂都市してますよ←
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回お会いするまで、良いワインライフを!