おいでよ!ワインの沼

ワイン沼の住人・ユキシバによるワイン日記&初心者目線の豆知識

【今年成人するワイン】2000円台で「大地の味」を感じる熟成赤ワイン【エルミータ・デ・サン・ロレンツォ】

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ワインの沼からごきげんよう。ユキシバです。

 

今回は今年の成人の日あたりに公開した動画

【ワイン紹介③】エルミータ・デ・サンロレンツォ2002グラン・レゼルヴァ【初心者】 - ニコニコ動画

の捕捉回となっています。

 

動画内では、成人の日のふさわしいワインを紹介&飲み語りしております。

何かといいますとですね…

 

今回のワイン、今年で二十歳を迎えるのです!

 

つまり2002年ヴィンテージ。

20年も熟成したとなるとかなり長期熟成に感じますね。

 

ちなみに動画は動画でネタ満載で喋っているので、ぜひ遊びに来てくださいね🍷

(YouTubeはこちら↓)


www.youtube.com

 

 

今年二十歳を迎えるワイン・エルミータ

エルミータ・デ・サンロレンツォ2002グランレゼルヴァ

 

エルミータ・デ・サンロレンツォ2002グラン・レゼルヴァ

 

生産地:スペイン(カンポ・デ・ポルハ)

葡萄:ガルナッチャ60%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%

ボディ:ミディアムボディ

アルコール度数:14%

価格:2414円(2022年1月時点)

 

スペインといえば安くて濃い旨なワインの産地の代表格。

 

日本で安旨ワイン産地として有名なのは、

アルパカやコノスルを擁するチリ。

特にアルパカは日本で最も売れている輸入ワインなんだとか。

 

日本に入ってくる輸入ワインの中で最も多いのがチリ産ワインです。

この辺についても機会があったら解説しますね!

 

 

しかし!

チリに負けないコスパワインの産地として近年伸びに伸びているのが、今回飲んでみたエルミータの母国・スペインです。

 

スペインもワイン醸造の歴史が長い「伝統国」の一つですが、

濃くて骨格がしっかりしてるのに安い!というワインを多く生み出しています。

 

エルミータを作っている生産者・アルティーガ・フステルは、アメリカの高級レストランでチーフソムリエを務めたこともある人物をオーナーに持ち、

スペインの伝統を引き継ぎつつも今の時代に合った新しいスペインワインを追究しているそうです。

 

赤ワイン

良い年の取り方をした大人の雰囲気をまとうガーネット…

それでは一口…🍷

 

~ひとこと目のテイスティングコメント~

 

うん!!

(深刻な語彙力不足)

 

実は今回、昼と夜に分けて飲みました。

夜は晩酌用に、昼は仕事関連の打ち合わせの席で飲みました←

 

まぁそれは置いといて…

エルミータ、昼と夜で味わいが違ったんです!

 

 

まずは昼のエルミータから。(※昼、開けたてで飲んだ時)

 

一口飲んでまず思い出したのは、初めて本格的なワインを飲んだ時の味わいでした。

 

ある日、甘くないワインに興味を持った僕は、ワインショップでワインを選ぼうと思い立ちました。

 

そして店員さんに

「赤ワインを探してます。多分濃くて重口の方が好みで、果実味が強いやつがいいです」

と聞いて、おすすめされたのがフランス・ローヌ地方の赤ワイン。

 

エントリーモデル(?)で2000円台前半でしたが、

店員曰く、

初心者はなるべくわかりやすい味のものから飲んでみた方が良いのだとか。

 

 

昼のエルミータにも、そういう「わかりやすい味わい」を感じました。

 

プルーンやブルーベリー?カシス?のような味わい。

ジャムのように濃密な果実味もうっとりして好きだけど、

エルミータはそれとは違う。

濃すぎず軽すぎず、親しみやすい果実味。

 

そしてよく味わっていると、黒糖のような甘味もふわっと広がります。

 

まさに最初の僕のように「ワイン初心者だけど濃い味の方が気になるんだよね」という人のワイン入門にも向いているように感じます。

 

 

続いてエルミータの夜の顔。(※その日の晩酌で飲んだ時の味)

 

夜のエルミータは、昼に感じられたベリーの味や黒糖の甘味、それらを引き立てる苦味や酸味がさらに渾然一体となった印象でした。

 

昼には色んなベリーが代わる代わるやってきていたのが、夜になると、全部一体となって、複雑な味わいとなって広がるというか…。

 

 

基本、ワインは酸素と触れることで酸化し、時間が経つにつれて味わいが変化します。

ただし、味わいの変わり方は、酸素との触れ方(ゆっくりor急激)やワインの状態によって違います。

 

エルミータのように数十年も熟成しているワインは、若いワインに比べて味わいも複雑、かつデリケートになっています。

そのため、若いワインに比べて、栓を開けてからの味の変化が早い傾向があります。

 

だから同じ日の昼と夜でも味が変わってる!なんていうこともあり得るんですね。

(僕はエルミータを飲んで初めて経験しました)

 

こういう「味わいの変化」もワインの醍醐味であり、ミステリアスで奥深いところですね。

 

 

大地の味?ワインの”ミネラル感”

赤ワインのグラスとボトル

 

ただ、エルミータにはまだ続きがあります。

 

果実味だけではなく、まるでグレープフルーツにも似た苦味を感じました。

そして、大地や鉱物を連想するような何とも言い難い味わい…

 

ワイン界では「アーシー(Earthy)な味」とも言いますが、

ここは初心者が飲んでいきなり「うめぇ!」とはなりにくいポイントかもしれないですね…。

 

しいて何かの味で例えるなら

土、鉱物、炭、火山みたいな味…??(火打石と表現されることもあります)

 

「いやいやww炭みたいな味がする酒とか飲みたくないわwww」

 

…と思うじゃん?←

 

いや、確かに僕も初めて飲んだワインがこういう味だったら、

「なんか変な複雑な味…」としか思わなかったかもしれません。

 

そもそも土や炭を食べることなんてないし!火山の味とか最早想像でしかないし!!

 

ですが、これが本当に不思議なところで…

そういう味がする(こともある)と思って飲むと、何だか魅力的に感じてしまうものなんですよ…!

 

「うめぇ!」というより「すげぇ!(こんな味初めて!)」の方が近いかもしれませんね。

 

 

ちなみに、エルミータを買ったサイトの商品説明ページには「鉱物を感じるミネラル感」と書いてありました。

 

ミネラル…感……?

 

僕も「ミネラル感」という言葉自体は知っていたのですが、具体的にどんな味のことを言うのかはよくわかっていなかったのです。

 

 

どうやらこの「ミネラル感」という表現、2000年代後半から使われ始めた表現らしく、はっきりした定義があるわけではないのだそう。

 

自分の思うミネラル感と相手の思うミネラル感が違うかもしれないので、

プロの世界ではあえてこの表現を使わない人もいるのだとか。

 

「ミネラルをたっぷり含んだ土壌で育てたブドウを使うとミネラル感のあるワインになる」

と考えられてもいましたが、科学的にそれはあり得ないそうです。

 

とまぁまだまだ研究途中の「ミネラル感」ですが、

プロの人たちの説明を参考にすると、ミネラル感を感じる要素は

 

①キリっとした酸味・絶妙な苦味・塩味

②鉱物・火山を連想する香味

 

といえます。

 

エルミータを飲んだ時、僕は冷え固まった黒い溶岩を思い浮かべました。

絶妙な苦味や酸味のバランスに、地球のダイナミズムを感じたのです。

 

その後でサイトに載っていたテイスティングコメントを読んで思いました。

 

「そうか…!これがミネラル感か!!」と。

 

 

鉱物をイメージするような絶妙な苦味を表現するときによくプロが言うのが「火打石」です。

が、人によって土、鉱物、擦ったマッチ、川辺の石など感じ方は様々。

 

僕にとっての「ミネラル感」は、火山や鉱物など、地球のエネルギーを感じるような味わいです。

ぜひ、あなたにとっての「ミネラル感」を感じてみてください。

 

(ミネラル感の原理など、調べてみたらそれだけで記事一本分は余裕なくらいややこしかったので、詳しい説明はまた別な機会に…!)

 

 

 

20年熟成。

つまり20年前に収穫され、今までず~っと樽や瓶の中で眠ってたんですよ。

 

それだけでロマンを感じますよ僕は…!

 

 

人間でいう二十歳なんて、ほとんどは学生気分の抜けないがきんちょですよ(?)

けど二十歳のワインはそれよりずっと大人で、成熟感・落ち着きのある味わいでした笑

 

 

ちなみにミディアムボディということでさほど渋くなく、

食事と合わせず単体で飲んでも十分飲みやすいです。

 

ワインのためにわざわざ合わせる食事を考える手間もなし!

なので、しっかり食べるわけにいかない場面で飲むのにぴったりですよ!

例えば仕事の打ち合わせとかね!←

 

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最後まで読んでくださりありがとうございます。

 

次回まで、良いワインライフを!

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